うさぎに会えるカナ♪
2008
落語界で、襲名が相次いでいる。今年5月には六代目古今亭今輔、21日に八代目春風亭柳橋と四代目三遊亭歌奴が襲名。10月には五代目桂米團治(よねだんじ)が高座に復活する。襲名ラッシュに活気づく落語界だが、背景には襲名興行がもたらす“経済効果”もあるようだ。(栫井千春) 襲名は、歴史的な名人や師匠の名前を継ぐことで、高度な芸を伝承していく伝統芸能特有の制度だ。代々継がれる名前は「名跡(みょうせき)」と呼ばれる。10月に先代の孫弟子に当たる桂小米朝が五代目として継ぐ米團治はまさにこの名跡で、先代が死去した昭和26年以来、57年ぶりの復活となる。今年復活した今輔は先代の曾孫弟子にあたる。 名跡の襲名が1年の間にこれほど重なるのは、最近では例がない。さきがけとなったのは、平成17年の九代目林家正蔵襲名だ。林家三平の長男でお笑いタレントのイメージが強かったこぶ平が、初代は江戸時代までさかのぼる落語界の大名跡「林家正蔵」を襲名。東京・上野から浅草までパレードなど大がかりなイベントを展開、テレビなどで大きくあつかわれた。 演芸評論家の大友浩さんは「知名度の高かったこぶ平の襲名は落語界に世間の目を向けさせた。落語が伝統に支えられた芸能であることをアピールし、イメージアップにもつながった」と評価する。 最近は先代が存命のうちに名跡を“生前贈与”するケースも目立ってきた。昨年、林家木久蔵が長男に名前を譲り、自身は林家木久扇を名乗って親子で襲名披露。再来年は三遊亭楽太郎が師匠を継いで六代目三遊亭円楽を名乗ることが決まった。
相次ぐ大きな名前の襲名は、落語界に活気をもたらしているのも事実だ。かつては高齢者やマニアが目立った寄席には、若い観客が詰めかけるようになり、土日には立ち見客が出ることも珍しくはない。人気落語家の襲名披露興行ともなれば、人気もなおさらだ。
しかし、バーゲンセールさながらの襲名には懐疑的な声も出ている。演芸評論家の渡辺寧久さんは「落語を興行としてビジネスにする人たちが、襲名披露興行にはうまみがあることに気がついた」と指摘する。
ある中堅落語家は「イベントをやりたいために名跡を継ぐのでは本末転倒。名跡は先人たちが代々、腕を磨いて後輩へと渡してきたもので、お祭り騒ぎのなかで、先人たちの思いが忘れられていないか」と苦言を呈する。
過去に行われたある襲名披露興行では、客席の3分の1ほどは最後まで空席のままだった。「腕が伴わなければ、落語家は惨めなもの」(中堅落語家)。襲名が看板倒れに終わるか、落語界の活性化につながるかは、本人がその名にふさわしい努力を重ねるかにかかっている。
産経ニュース
世代交代ですね
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